神棚のまつり方

 人の幸福のもとは家庭にあります。家庭の和は、一家の者が心を合わせて、神棚におまつりした神さまを敬い、祖先を尊び、親を慕い、子を愛することによって育まれます。神々や祖先の「おかげ」を忘れた家庭に「円満」と「幸福」はあり得ません。

神棚のまつり方

■神棚を設ける場所
 神棚は神さまをおまつりするところなので、明るく清浄な所に、神棚の向きを南向きか東向きにして、大人が見上げるくらいの高さに設けます。神棚をおまつりする場所は、家族がいつも集まることができるところであることが大切です。
 神棚の下を通ったり、2階のある家では、その上を歩くことになるような場所は避けたいものです。そうした場所がない場合には、家の中で最良と思われる場所を選んで神棚をおまつりしましょう。

■神棚を取り付けることが困難な場合は?
 最近の住宅の構造は、デザインを優先するあまり、神棚を設置することを想定していないケースが多く、特にハウスメーカーの住宅や、マンションを購入された方からは、「うちは神棚を取り付ける場所がないし、釘を打てないので、神棚がありません。」という声を聞きます。こうした理由から神棚を設けないとこは良いことではありません。
 神社では、棚を壁に打ち付けるという昔からの習慣にこだわらず、リビングの食器戸棚の上やオフィスの書棚の上などに、適当な板を一枚敷いて宮形を置くこともお勧めしています。

■宮形(みやがた)をすえる
 神棚を設ける場所が決まったら、次に宮形を用意します。宮形の種類や大きさはさまざまです。おまつりする場所に応じて適当なものを選びましょう。

■注連縄(しめなわ)を張る
 注連縄は、神聖な場所を示すもので、大根注連や牛蒡注連など、地方によっていろいろな種類があります。大根注連を張る場合は、神棚に向かって右に太い方がくるように張ります。注連縄には紙垂を等間隔に挟み込みます。

■祭器具を揃える
 神棚をおまつりするために必要なものに、家庭用祭器具があります。

 (1) 榊立 [ さかきたて ]
 (2) 瓶子 [ へいし ]
 (3) 水器 [ すいき ]
 (4) 平甕 [ ひらか ]
 (5) 三方 [ さんぽう ]または折敷 [ おしき ]
 (6) 燈明 [ とうみょう ]

などがそれで、神具店などで求めることができます。

■お神札(おふだ)を納める
 神棚のしつらえが終わったら、次にお神札を宮形に納めます。
 宮形には、伊勢の神宮のお神札である【神宮大麻(じんぐうたいま)】【氏神さま(地域の神社)のお神札】【そのほかの崇敬する神社のお神札】を納めますが、お神札には順位があることに注意しましょう。
 たとえば三社造の場合では、中央が最上位、次が向かって右、次が向かって左となり、中央に神宮大麻、向かって右に氏神さま、向かって左にその他の崇敬する神社の順番でお神札を納めることになります。
 また、一社造の場合には、一番手前に神宮大麻、その後ろに氏神さま、その後ろに崇敬する神社という順にお神札を重ねて納めます。
 一年間お祀りしたお神札は、年末に神社にお納めします。新しいお神札をいただきお正月をお迎えします。

毎日のおまつり

 毎朝、食事の前に、神棚の榊の水を替え、燈明に灯をともして、お供えものをします。
毎日お供えするものは、お米・お塩・お水の三品です。
お正月や毎月一日、家族にとって大切な日などには、この他にお酒や野菜、果物などもお供えします。
いただき物や季節の初物なども、まず神さまにお供えしてから、家族でいただくようにしましょう。
神さまにお供えしたものは、「お下がり」として、家族みんなでいただきます。神さまのお供えした食べ物をいただくことは、神さまのお力をいただくという意味があります。 もし身内に不幸があった際は、神棚に半紙を貼り、一般に五十日祭(四十九日)が過ぎるまで毎日のお祭りを遠慮します。

お参りの作法

 神棚のお参りの仕方は、神社と同じように、二拝二拍手一拝を行います。
家族そろってお参りできればよいのですが、できないときは、一人ひとりが、出かける前にお参りすればよいでしょう。
また、帰宅したときや寝る前にもお参りしましょう。
神棚をお参りすることは、毎日の平穏な生活や家族の健康を祈り、感謝することにあります。

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